近年注目されているのが、うつの慢性炎症仮説です。これは、うつは体内の炎症によって引き起こされるという理論です。
様々なストレスに暴露されることで、体内で慢性的に炎症が燻り続けている状態になると、脳内でもサイトカインが放出されて、その毒性により、情動や思考を司どる部位の脳神経細胞が異常をきたし、その結果として、思考の停止、抑うつ、悦びや興味の喪失に繋がるのではないかと考えられています。
慢性炎症の例としては、社会的ストレス、化学物質、肥満(内臓脂肪型)、上咽頭炎、膠原病などの炎症性疾患、外傷など、体内で何かしら炎症がくすぶっている状態を意味します。うつの慢性炎症仮説は、うつをココロの問題として捉えるだけでなく、カラダの問題として捉えること、メンタルの問題も体の健康問題として捉えることの重要性を示唆しています。