腸カンジダ症
カンジダとは？
カンジダ（カンジダ・アルビカンス）とは真菌であり、一般的にはカビやイースト（酵母）とも呼ばれます。
腸管内に少量のカンジダが常在することは正常ですが、免疫力低下や腸管除菌などをきっかけに、腸内でカンジダが異常繁殖し消化管で炎症を起こす状態が腸カンジダ症です。
腸カンジダ症の症状
もし、下記のような症状に長年悩まされているにもかかわらず、原因がよくわからない場合、腸カンジダを疑ってみることをお勧めします。
- 疲れやすい
- 肌荒れが治らない
- やたらと甘いものを欲してしまう
- 頭がぼーっとする（集中力低下）
- 頭の中にモヤがかかった感じ（ブレインフォグ）
- 腹部の張りがある（腹部膨満）
- おならやゲップが多い
- ストレスに連動した下痢や便秘、腹痛（IBS）
このように腸カンジダは典型的な所見に乏しい為、一般的な医療機関では積極的に疑われることなくなんとなくいつも不調だが、病院で一般的な検査をしても「異常なし」として見過ごされてしまうケースがあります。
上記の症状に加え、さらに下記の特徴を伴う場合は、より腸カンジダ症の疑いが強いと言えます。
- 砂糖の多い甘いものをよく食べる
- アルコールを多飲する
- 胃薬（胃酸分泌抑制薬：PPI）をよく使う／よく使っていた
- 抗生物質をよく使う／過去によく使っていた
- ステロイド剤をよく使う／過去によく使っていた
- ピロリ菌を除菌した経験がある
- 甲状腺機能低下症の既往がある
- 膣カンジダ症などの既往がある
糖分はカンジダのエサとなり、胃酸分泌の低下や抗生物質の長期使用は腸管内のアルカリ化が進むことで、カンジダは酵母型から菌糸型に変化し、腸管粘膜に根を張るように増殖する為、難治性となります。
また、カンジダはバイオフィルムを形成します。バイオフィルムとはカンジダが集団で増殖する際に、自ら分泌する多糖体やタンパク質、DNA などを材料に形成する「防御バリア（生物膜）」のことです。
こうなってしまうと、抗真菌薬で一時的にカンジダを除菌するだけでは効果がなく、すぐにまた増殖を繰り返してしまいます。
腸カンジダ症を疑う症状
腸カンジダ症を疑う症状をより具体的に見ていきましょう。
①消化器症状
腹部膨満感、ガス過多（おならやゲップ）、下痢や便秘、吐き気、食欲不振、腹痛など。腸内でカンジダが増えると消化吸収が妨げられ、これらの消化器症状が生じる可能性があります。腸カンジダ症では腸管バリア機能の低下、いわゆるリーキーガットを引き起こす原因ともなり得ます。
②全身の症状
慢性的な疲労感、倦怠感、原因不明の頭痛、集中力低下やブレインフォグ、イライラや不安感、抑うつ、睡眠障害など精神神経系の不調との関連も示唆されています。これは、カンジダ菌の増殖により発生する毒素や炎症が全身に影響を及ぼし、腸脳相関を通して神経系やホルモンバランスに負担をかけるためと考えられます。
胃や大腸カメラでは発見できない
腸カンジダ症は、小腸・大腸どちらでも起こり得ますが、臨床的には 小腸に多い と考えられています。
その理由は、小腸は胆汁酸・膵液などで殺菌作用があるものの、抗菌薬の乱用や胃酸低下などで防御が弱まると、カンジダが小腸で優位に増えやすくなり、さらに小腸は表面積が大きく栄養吸収の場であるため、糖質・発酵性基質が豊富で、カンジダの栄養源になりやすい場所だからです。
これは小腸カンジダ過剰増殖（SIFO: Small Intestinal Fungal Overgrowth）と呼ばれ、SIBOに似た腹部膨満感、ガス、便通異常、ブレインフォグ、倦怠感などを起こすとされます。
小腸は解剖学的に長く（約6〜7m）、曲がりくねっていて、従来の胃カメラ（上部消化管内視鏡）や大腸カメラ（下部消化管内視鏡）では直接観察できない領域が多く、発見が難しい部位 とされます。
Three steps of treatment
治療の3ステップ
①診断検査
②除菌治療
③再発予防
①診断検査
臨床所見から腸カンジダ症が疑わしい場合、診断のための検査を実施します。いくつかの検査がありますが、尿中有機酸検査の精度が比較的高いと考えられています。
②除菌治療
カンジダに対する抗菌薬を選定し除菌を行います。除菌を行う前にカンジダのバイオフィルムをはがし、ダイオフを軽減するためにいくつかの工程を実施します。
③再発予防
腸カンジダの再発を予防する食事、生活習慣を実践していただき、腸から心身の健康を導く生き方をサポートします。
Details
施術の詳細
| 施術名 | 腸カンジダ症 |
|---|---|
内容 | 検査、除菌、食事＆生活習慣指導、サプリメント等 |
FAQ
よくあるご質問
自費診療では別途、診察料を5,000円(税別)頂戴いたします。ただし、合計5,000円以上の施術料金で診察料が無料となります。
はい、オンライン診療でも対応可能です。予約時にオンライン診療希望をご選択ください。
検査キットや除菌薬の配送料は別途550円（税込）となります。
はい、診察無しでもサプリメントのご処方は可能です。しかし、除菌薬の購入は当院にて検査を行った方に限らせていただきます。