マンジャロ注射は痩せる?効果や副作用、使い方注意点を解説

2025.2.28

「医療の力を借りて痩せたい」「痩せる薬を試してみたい」このように考えている方は多いのではないでしょうか?

ダイエット効果が期待できる医薬品はさまざまありますが、その中に「マンジャロ」という薬があります。マンジャロとは、血糖値の急上昇を抑えて体重減少などの効果を発揮する薬です。

この記事では、マンジャロの効果や副作用について解説します。マンジャロを使ったダイエットを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

痩せる注射?世界初のGIP/GLP-1受容体作動薬『マンジャロ』とは

マンジャロとは、日本イーライリリーと田辺三菱製薬が製造販売する糖尿病の治療薬です。従来の糖尿病治療薬と比べて、血糖値を下げる効果と体重を減少させる効果が高いことが特徴です。週に1回、自分で皮下注射する形で投与します。

小腸で分泌されるGIPとGLP-1ホルモンの役割

マンジャロは、「グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)」と「グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)」という2つのホルモンの作用を持つ薬です。

GIPとGLP-1は、どちらも食事を摂取すると腸壁から放出されるホルモンです。GIPはインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる効果があります。一方、GLP-1は食欲抑制や胃の排出を遅らせる働きがあります。両方に働きかけることで、より強力に血糖値をコントロールし、食欲を抑えながら脂肪の燃焼を促進するのがマンジャロの大きな特長です。

血糖値の低下と体重減少!マンジャロの主な効果

ここからはマンジャロの効果について詳しく解説します。

インスリン分泌を促し血糖値を下げる

インスリンとは、すい臓で分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。マンジャロはこれらのホルモンの働きが長く続くように作られています。

食欲が抑制され食事量が自然に減る

マンジャロ効果_食欲抑制

マンジャロは、食欲抑制効果が強いため肥満治療にも用いられている薬です。マンジャロは、脳の満腹中枢に働きかけることで食欲を抑制する効果があります。

食べたいという気持ちが自然と減ることで、食事中も少量で満足できるようになります。

胃の運動をゆるやかにする

過食予防

胃の排出速度が低下することで、満腹感が長く持続し、過食防止に繋がります。摂取カロリーが減少することでダイエット効果が期待できます。無理なく食事量を減らせるため、続けやすいのが特徴です。

何kg痩せれる?マンジャロのダイエット効果

マンジャロは、GLP-1受容体に加え、GIP受容体にも作用します。そのため、GLP-1受容体作動薬よりもHbA1c(血液中のヘモグロビンと糖が結合した割合。主に糖尿病の診断時に用いられる検査値。)と体重の改善効果が高いとされています。これは、実際に日本人を対象とした臨床研究でも効果が確認されています。

マンジャロの最大容量である15mgを使用したこころ、HbA1cは2.83%、体重は9.46kg減少したことが分かっています。

※効果には個人差があります。

マンジャロをやめたらリバウンドする?

マンジャロの服薬をやめると、リバウンドする可能性があります。食欲抑制効果がなくなることで、以前の食生活に戻りやすくなるためです。

リバウンドを防ぐには、徐々に用量を減らしながら、健康的な食生活と運動習慣を確立することが重要です。なお、自分の判断で辞めてしまったり量を調整したりすると、リバウンドしやすくなるため、医師と相談しながらダイエットしましょう。

マンジャロの種類

マンジャロには、用量が異なる6種類があります。

薬品名メーカー投与間隔薬価
マンジャロ皮下注2.5mgアテオス日本イーライリリー週1回1924円/キット
マンジャロ皮下注5mgアテオス日本イーライリリー週1回3848円/キット
マンジャロ皮下注7.5mgアテオス日本イーライリリー週1回5772円/キット
マンジャロ皮下注10mgアテオス日本イーライリリー週1回7696円/キット
マンジャロ皮下注12.5mgアテオス日本イーライリリー週1回9620円/キット
マンジャロ皮下注15mgアテオス日本イーライリリー週1回11544円/キット

参考:医療用医薬品:マンジャロ

マンジャロは週1回2.5gから開始します。これを4週間継続したあと、週1回5mgに変更します。通常は週1回5mgを維持することが多いです。

ただし、より強力な治療が必要と判断された場合は、4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量できます。なお、最大用量は週1回15mgまでです。

痛いって本当?マンジャロの使い方
保管方法についても解説!

ここからは、マンジャロの使い方を説明します。マンジャロは専用ペン「アテオス」を使って注射します。

①キャップを外す

 

緑色の目印がロックの位置にあることを確認してから、アテオスの灰色のキャップを外します。

また、外したキャップは廃棄して、付け直さないようにしましょう。

②ロックを解除する

自分で投与する場合は、お腹か太ももに注射します。毎回同じ場所に注射するのは避けて、少しずらしたところで投与してください。

投与する場所を消毒し、アテオスの透明な底面を皮膚にしっかり当てます。緑色の目印をロック解除の方向に回し、ロックを解除しましょう。

③注入ボタンを押して待つ

紫色の注入ボタンを押し、そのまま待ちます。薬液の注入が開始すると「カチッ」という音がなります。

しばらくすると、再び「カチッ」と音がなります。これは薬液の注入が完了した合図です。注入器の透明な部分に灰色のゴムピストンが見えていれば投薬は完了です。アテオスを皮膚から離しましょう。

これで投薬は完了です。

マンジャロの保管方法

マンジャロは2~8℃の冷蔵庫にて保管してください。冷蔵庫が使用できない場合、30℃以下なら21日間まで保管できます。 凍結した場合は、成分が変性している可能性があるため、使用しないようにしましょう。

また、薬液が黄色がかっていることを確認してください。薬液が凍っていない、濁っていない、浮遊物がないことも確認しましょう。

どれがいい?オゼンピック・トルリシティの違いを比較!

項目マンジャロ

オゼンピック
トルリシティ

種類GIP/GLP-1受容体作動薬GLP-1受容体作動薬GLP-1受容体作動薬
投与頻度週1回週1回週1回
血糖値改善効果◎(非常に強い)〇(強い)〇(強い)
体重減少効果◎(非常に強い)〇(中程度)△少ない
承認状況(日本)2型糖尿病治療薬として承認済み(肥満適応は未承認)2型糖尿病治療薬として承認済み(肥満適応は未承認)2型糖尿病治療薬として承認済み

体重減少効果のある薬にはマンジャロの他に、オゼンピックやトルリシティなどがあります。

オゼンピックは、血糖値を下げる作用に加え、胃の排出を遅らせて満腹感を持続させるため、体重減少効果も期待できるのが特徴です。糖尿病治療薬として承認されていますが、肥満治療にも使用されることがあり、欧米では高用量版の「ウゴービ」が肥満治療薬として認可されています。

トルリシティも、週1回の皮下注射で使用するGLP-1受容体作動薬です。血糖値を下げるだけでなく、食欲を抑えたり、胃の排出を遅らせることで体重減少を促す働きがあります。専用の自己注射ペンが使いやすく、初心者でも扱いやすいのが特徴です。日本では2.5mgと0.75mgの2種類の用量が承認されており、医師の指導のもと適切に使用することが推奨されます。

上記の3つの薬剤を比較すると、マンジャロが最も高い効果を期待できます。治療を強化する必要がある場合には、マンジャロの服用を検討したほうがいいでしょう。

吐き気はいつまで?マンジャロの副作用と危険性

マンジャロは身体に作用する医薬品のため、副作用が起こる可能性があります。ここからはマンジャロの副作用について解説します。

主な副作用

①吐き気・嘔吐

マンジャロの作用によって食事が胃に留まる時間が長くなるため、消化器に副作用が出る可能性があります。具体的には悪心や嘔吐、便秘、下痢、腹痛、食欲減退、消化不良などです。これらは5%以上の確率で現れます。

②腹部膨満・胃食道逆流性疾患

腹部膨満や胃食道逆流性疾患、おくびが現れる可能性があります。確率は1〜5%未満です。

重篤な副作用

①低血糖

マンジャロには血糖降下作用があるため、まれに低血糖が起こる可能性があります。具体的には、脱力感や高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、視覚異常、嘔気などが起こる危険性があります。低血糖症状が出た場合は、糖質を含む食品を摂取してください。

また、以下に該当する方は、事前に医師に申告するようにしましょう。

・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・過度のアルコール摂取
・激しい筋肉運動

②急性膵炎

急性膵炎とは膵臓が急激に炎症を起こす病気です。膵臓が自己消化されることで炎症が起こります。嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛が出たらすぐに使用を中止してください。

注意!マンジャロをダイエットに取り入れる場合の危険性

マンジャロは、2型糖尿病治療についてのみ使用が認められています。しかし、痩身などの目的で使用した場合に関しては、安全性や有効性は確認されていません。実際に糖尿病治療薬を痩身目的で使ったことで、健康被害が出た事例も報告されています。

マンジャロを使う際は、医師の管理下で適切に使用し、定期的な健康チェックを受けることが重要です。

マンジャロは保険適用になる?適用になるための条件

マンジャロは2型糖尿病の治療に対してのみ、健康保険を適用できます。健康保険を適用すると、医療費の自己負担は原則3割で収まります。

保険が使えるケースは?

次の2つを満たせば、2型糖尿病と診断されます。

1.次のいずれかに該当
・空腹時血糖値が126mg/dl以上である
・経口ブドウ糖負荷試験の2時間血糖値が200mg/dl以上である
・随時血糖値が200mg/dl以上である

2.HbA1c≧6.5%

どちらか一方しか当てはまらなくても、糖尿病の症状が出始めたり、繰り返し行った検査で両方を満たせば、糖尿病の診断となりえます。

〇未承認医薬品に関する記述

【マンジャロ】
・未承認医薬品等
マンジャロは、2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に承認されています。肥満治療目的での処方は国内で承認されていません。
・入手経路等
多くのクリニックは日本国内承認医薬品は国内正規販売代理店から仕入れています。日本国内未承認医薬品・医療機器等は厚生局の正式なプロセスを経て、当院医師の判断の下、輸入をしたものになります。
・国内の承認医薬品等の有無
国内の承認医薬品等の有無 マンジャロと同成分のゼップバウンド、またサノレックス、ウゴービ等が肥満症の治療薬として国内で承認されています。
・諸外国の安全等の情報および副作用
同一成分の注射製剤がアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満症治療薬として承認されています
安全性等に関わる情報としては、急性膵炎、低血糖症状(冷や汗、気持ち悪くなる、手足の震え、ふらつく、脱力感)、嘔吐、腹痛、下痢、便秘といった症状が記載されています。

 

マンジャロ注射は痩せる?効果や副作用、使い方注意点を解説
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