脳神経は子供の頃に発達し、大人になると成長が止まると考えられてきましたが、大人の脳でも神経が新たに作られる(神経新生)ことが発見されました。
神経新生が阻害されることで、学習・記憶力、認知力の低下、その他、うつ病に関連する行動が増加することが知られており、運動によって、海馬の神経新生が促進されることが報告されています。
運動により発現が誘導され、神経新生をもたらす因子としては、
・IL-6
・BDNF(brain derived neurotrophic factor:脳由来神経栄養因子)
・FNDC5(fibronectin type Ⅲ domain-containing protein 5)
・IGF-1(insulin-like growth factor:インスリン様成長因子1)
・VEGF(vascular endothelial growth factor:神経内皮成長因子)
などがあり、中でも、BDNFは認知機能向上に必須な因子とされています。
近年、抗うつ薬の作用機序やTMSの作用機序においても、最終段階でこのBDNFの増加が関与しているのではないかと考えられています。
運動は、このBDNFを、自身で効率的に増やすことの出来る手段であり、メンタル改善において非常に有効な手段とされています。