ピルはホルモンバランスを整える、生理痛の緩和や避妊を目的として使用される医薬品です。月経周期の安定化や女性特有の症状の軽減などの効果が期待できます。副作用やリスクも存在するため、医師の指導のもと正しい知識で利用することが大切です。
低用量ピルにはさまざまな種類がありますが、現在主に日本国内で処方されているのは、下記の13種類です。
世代別 | 種類 | 特徴 |
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第一世代 | シンフェーズ | 第一世代は「ノルエチステロン」という黄体ホルモンが使用されています。基本的な効果に加えて、ほかの低用量ピルよりも月経量を減らしやすいという特徴があります。 |
フリウェルLD | ||
フリウェルULD(超低用量) | ||
ルナベルLD | ||
ルナベルULD(超低用量) | ||
第二世代 | トリキュラー | 第二世代は「レボノルゲストレル」という黄体ホルモンが使用されており、不正出血しにくいことがメリットです。 |
アンジュ | ||
ラベルフィーユ | ||
ジェミーナ | ||
第三世代 | マーベロン | 第三世代は「デソゲストレル」という黄体ホルモンが使用されており、ピルの基本的な効果のなかでも、ニキビや多毛症の改善効果が高い点が特徴です。 |
ファボワール | ||
第四世代 | ヤーズ(超低用量) | 第四世代は「ドロスピレノン」という黄体ホルモンが使用されており、比較的副作用が起こりにくい薬剤です。また避妊効果が期待できる最小のホルモン量を配合していることも特徴です。 |
ピルに含まれるホルモンは、子宮内膜の増殖を抑え、生理時の出血量を減少させることで、生理痛の緩和に役立ちます。 特に、子宮内膜症による強い痛みの軽減に効果があります。
PMS(月経前症候群)の症状には、情緒不安定、頭痛、むくみなどがあります。ピルはホルモンバランスを安定させることで、これらの症状を軽減します。
ピルはホルモンの補充によって生理周期を整えます。生理不順の改善に役立ち、周期の管理がしやすくなります。
一部のピルは、皮脂の分泌を中心に働きがあり、これによってニキビや肌荒れの改善に使える場合があります。ホルモンバランスを整えることで、肌トラブルが軽減することが期待されます。
ピルの長期使用により、卵巣がんや子宮体がんのリスクが低下するとされています。また、子宮内膜症や子宮筋腫の予防効果もあるとされています。
ピルは排卵を抑制し、避妊効果をもたらします。毎日服用することで、妊娠を予防できます。
心療内科や精神科でも、ピルが処方されるケースはあります。主な理由は、精神症状に関連するホルモンバランスの調整や、月経前症候群(PMS)および月経前不快気分障害(PMDD)などの症状の改善を目的とする場合です。
PMSやPMDDは月経前に強い精神的・身体の症状が現れる疾患で、情緒不安定、うつ、不安、イライラ、疲労感、頭痛などの症状が現れることがあります。生活や仕事に困難をきたす場合もあります。 ホルモンバランスを調整することで、症状の緩和が期待できるため、ピルが処方されることがあります。
うつ病や不安障害の一部の患者において、月経周期やホルモンバランスの変動が症状に影響を与える可能性があります。 特に、生理前に症状が悪化する場合などに、ピルによるホルモン安定化が効果的とされるケースもあります。
ピルは生理痛や肌荒れの軽減にも役立つため、これらの症状が精神的なストレスや不安感の原因となっている場合、心療内科や精神科での処方が検討されることがあります。
ただし、ピルは副作用やリスクもあるため、処方は慎重に検討され、内科や婦人科との連携が行われる場合もあります。
ピルの副作用としては、以下のような症状が報告されています。
ピルに含まれるホルモンの影響で起こるものが多く、服用を開始して数週間から数ヶ月で慣れてくる場合もありますが、症状が続く場合や強い場合には医師に相談することが重要です。
ピルに含まれるホルモンが乳腺に影響を与え、胸にハリや痛みを感じることがあります。 多くの場合、服用開始から数週間で症状が和らぐことが多いです。
ピルの服用によりホルモンバランスが変わることで、が現れることがあります。 偏頭痛がある人は、ピルを服用することで頭痛が起こることもありますので、事前に医師に相談するのが良いでしょう。
ピルを飲むと一時的に吐き気を感じる人もいます。 多くの場合、飲み続けるうちに体が慣れて改善しますが、強い吐き気が続く場合は別の種類のピルに変更することもあります。
ホルモンの影響で眠気が強くなることがありますが、こちらも数週間程度で落ち着く場合が多いです。日常生活に支障があるほどの眠気が続く場合は、医師に相談するのが適切です。
ピルを服用開始してから数ヶ月の間、少量の不正出血が見られることがあります。これは体がピルに慎重な段階で起こることが多く、時間とともに落ち着くケースが一般的です。
服用開始直後に軽い痛みを感じることもありますが、多くの場合、軽さで一時的なものです。痛みが続く場合や強くなる場合は医師の診察を受けましょう。
ピルに含まれるホルモンが体内の水分バランスに影響を与えることがございます。
血栓症はまれながら深刻な血液です。ピルの成分が固まりやすくするため、血栓(血液の塊)ができやすくなる可能性があります。特に喫煙者や肥満の人、家族に血栓症の既往ある人はリスクが高くなるため、ピルの処方を受ける前に医師に相談する必要があります。