近年、薬物治療に代わる新しいメンタル医療として注目されてているニューロモデュレーションですが、実はその歴史は古く、また、一口にニューロモデュレーション医療と言っても、いくつか治療法があります。今回は、ニューロモデュレーション医療の中でも、精神科医療機関で保険適応として最も一般的に行われているECT(電気痙攣療法)について解説します。
ECTとは、電気痙攣療法という名前の通り、麻酔薬で一時的に眠った状態にし、同時に筋弛緩薬を使うことで全身の筋肉に対する痙攣発作を抑制した状態で、電気ショックを与え、脳に対して意図的に痙攣作用をもたらすことで、うつ病などの精神疾患に改善効果をもたらそうとする治療です。
そのメカニズムは、完全には解明されていませんが、強力な電気刺激による脳神経の機能的なネットワークの改善や、BDNF産生、神経可塑性等が関連していると考えらえています。
精神疾患に対する電気治療の歴史は古く、
ECTは難治性重症うつ病の保健適応が通っている治療です。薬に対して全く効果がなかった重症うつ病の患者さんが劇的に改善
まず、大がかりであることです。ECT治療を行うためには、
また、毎回、
さらに、本人が希望すれば必ず実施できるわけではなく、複数の薬剤を充分期間、
また、ECTは、
つまり、脳のどの部位にどれだけの刺激が伝わるか、
さらに、患者さんの頭の形などによっても、
私は元麻酔科医の精神科医として、重症うつ病などの患者さんに対して、年間500件を超えるECTを医療機関でお手伝いさせて頂いておりますので、ECTを実施することの出来る適切な医療機関をご紹介させて頂くことも可能です。